東レ・ダウコーニングは、LED照明用に、高硬度を実現した光学成形用シリコーン樹脂の新製品を発売すると発表した。同社のシリコーンテクノロジーにより、高硬度が必要な光学部品や、細部の精密さと形状の再現性の高さが要求されるLED照明の設計に貢献する。
今回発売する新製品は「Dow Corning® MS-1001 Moldable Silicone(MS-1001)」。高い透明度と優れた成形性および熱安定性、光安定性を誇るMoldable Silicone製品の中でも、本製品は最も高い硬度(ショアD硬度25)を実現した。
新製品は、他のMoldable Silicone製品と同様、複雑な幾何学形状や、有機材料と比べて短い成形サイクルでより厚みのある部品や大型部品の射出成形が可能。また、LEDライトパイプやLEDライトガイドといった、光の拡散・集中・分散が必要なLED二次光学系用途にも最適に利用できる。さらに、耐熱性と光安定性に優れているため、既存のプラスチックを用いた光学部品では不可能な、光学部品と高輝度LEDチップの近接配置を実現する。
東レ・ダウコーニングは、1966年、シリコーンおよびケイ素関連技術で世界をリードするダウコーニング社と、高分子化学のパイオニアである東レとの合弁により事業を開始。以来、ダウコーニングの日本市場における拠点として、40年以上にわたりシリコーンを中心とした高機能素材の研究開発、製造、販売に取り組んできた。
ダウコーニングは、光学成形用シリコーンの品揃えを拡大しており、これについて、シリコーンがLEDランプや照明機器の性能を高め、信頼性を向上し、設計の自由度を高めることにより、次世代の高性能LEDランプ・照明器具が実現可能になるからと説明している。また、高硬度を実現したMS-1001について、LED照明機器の耐用年数の信頼性をさらに高め、画期的な構造とコンセプトを可能にするだろうと述べている。
なお、同じくMoldable Silicone製品シリーズであるDow Corning® Moldable Silicone MS-2002が、2014年4月にアメリカで開催されたライトフェア・インターナショナル®(LFI®)においてイノベーションアワードを受賞、Dow Corning® MS-1002 Moldable Silicone、MS-1003 Moldable Siliconeが2013年に同展示会において非発光部品/特殊ハードウェア部門のベスト・プロダクト賞に選ばれている。
MS-1001、およびMoldable Silicone製品シリーズの概要は次の通り。
Dow Corning® Moldable Silicone | ||||
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MS-1001 | MS-1002 | MS-1003 | MS-2002 | |
製品タイプ | 透明材料 | 透明材料 | 透明材料 | 白色反射材料 |
硬度 | 25 (Shore D) | 74 (Shore A) | 52 (Shore A) | 84 (Shore A) |
引張強度 (MPa) | 12.0 | 11.2 | 5.5 | 8.6 |
伸び (%) | 50 | 80 | 325 | 86 |
屈折率 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | NA |