
経済産業省は、平成26年度予算の概算要求で、前年度比1.2倍(3,099億円増)となる1兆7,470億円を要求する方針だ。本概算予算では、「エネルギー最先進国」実現に向け、省エネ・再生エネ投資促進に重点配分している。
また、工場、ビル、家庭、自動車等の省エネ投資等を大幅に加速させるため、1,955億円(25年度予算額929億円)を要求する。
重点配分する資源・エネルギー政策の基本的な方向性については、以下のように説明している。東日本大震災や、国際的なエネルギー需要の増大など激変する世界情勢の中、日本は新たなエネルギー制約に直面し、エネルギーコストは上昇。
そのため、エネルギー源の多角化、安定的かつ低廉な「生産(調達)」と、最適・効率的かつ強靭なエネルギーの「流通」、スマートな「消費」により、「多様な供給体制とスマートな消費行動を持つエネルギー最先進国」を目指す。
また、地球温暖化対策に関しては、25%目標をゼロベースで見直しつつ、「エネルギー最先進国」の構築を通じて、省エネ対策の加速化や再生可能エネルギーの最大導入に取り組む。
加えて、我が国エネルギー・環境産業の国際競争力・技術力を強化し、成長が見込まれる世界のエネルギー市場を獲得するとともに、世界大での温室効果ガス削減に「技術」で貢献する「攻めの地球温暖化外交戦略」を組み立てる。
資源・エネルギー関係の概算要求額(25年度予算額)等は以下の通り。
1.「エネルギー最先進国」の実現
【生産段階(調達段階)】3,805億円(2,726億円)
(1)再生可能エネルギーの最大限の導入 1,981億円(1,221億円)
- ボトルネックとなる系統基盤の強化 462億円(357億円)
「送配電網の整備・強化」、「蓄電池の開発等を通じた系統運用の高度化」 等
- 再エネ最大導入に向けた基盤整備 356億円(216億円)
「再エネ発電の環境アセスメント迅速化実証」、「地熱発電の導入促進(資源量調査、理解促進)」 等
- 再エネの導入加速化に向けた技術開発・実証等の推進 854億円(447億円)
「大型洋上風力の実証」、「風力・太陽光・地熱発電等の高度化・高効率化」 等
(2)原子力発電の安全基盤の構築 244億円(174億円)
(3)高効率火力発電の開発・活用加速化 271億円(257億円)
- 石炭火力発電等の高効率化のための技術開発の加速化 147億円(130億円)
- 二酸化炭素回収・貯留(CCS)の実用化に向けた取組 124億円(126億円)
(4)資源・エネルギーの安定的かつ低廉な供給の確保 1,308億円(1,086億円)
- 石油・天然ガス、石炭の権益確保・国際エネルギー協力の推進 816億円(632億円)
- メタンハイドレートなどの国内資源開発の推進 282億円(259億円)
【流通段階】2,035億円(同1,762億円)
- 製油所・SS等の災害対応能力等の強化 235億円(116億円)等
【消費段階】3,044億円(同1,767億円)
(1)エネルギーコスト低減につながる「省エネ投資」の加速化 2,288億円(1,267億円)
- 産業部門における省エネ・ピーク対策投資の大幅加速化 814億円(376億円)
「先端省エネ投資の大幅加速化、ピーク対策への対象拡大」、「地域金融機関との連携強化を通じた中小・中堅企業の省エネ投資促進 等」
- 家庭・オフィス、運輸部門での省エネルギー対策の強化 744億円(435億円)
「住宅・建築物の省エネ・蓄電池等ピーク対策の推進」、「クラウドを通じた中小・中堅企業の省エネの推進」、「次世代自動車の普及支援」等
- 省エネ化のための技術開発・実証等の推進 730億円(456億円)
「波及効果の高い次世代デバイス・部素材の開発・事業化」、「製造プロセスの省エネ化の促進」等
(2)燃料電池の利用拡大 397億円(118億円)
「家庭用燃料電池(エネファーム)の導入拡大」、「燃料電池自動車の普及に向けた水素ステーションの整備」 等
(3)新しいエネルギーマネジメントビジネスの確立 329億円(111億円)
「ビッグデータの活用、ネガワット取引の実証等を通じた新しいエネルギーマネジメ ントビジネスの構築」、「マンションのスマート化の推進」 等
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矢野経済研究所は、照明関連メーカー、電設資材卸事業者、業界団体、協会等を対象に国内の照明市場を調査した結果を「2013年版 照明市場の展望と事業戦略」としてまとめて発表した。2012年の一般照明用途の照明総市場は、前年比118.1%の1兆264億5,000万円、LED照明市場は、前年比195.0%の4,204億円といずれも急速に拡大した。また、LED照明への新規参入、オフィス・事業所分野へのLED照明の導入が相次いでおり、今後LED照明の普及がさらに進むものとみている。
2012年の一般照明用途の照明総市場は、2011年に続いて二桁台の成長を遂げており、東日本大震災以降の省エネニーズの高まりを追い風に急速に拡大した。内訳をみると、「照明器具」が3,752億5,400万円(前年比90.3%)、「ランプ」が 2,307億9,600万円(前年比96.8%)と減少しているのに対し、LED照明は4,204億円(前年比195.0%)と大幅な成長を遂げた。2013年以降も省エネニーズは高水準を維持しており、LED照明を牽引役として、一般照明用途の照明市場規模は今後も成長していくと考えられる。
LED照明市場が大幅な成長を遂げるなか、電子部品や制御機器、住宅メーカーまでさまざまな事業者の新規参入が続き、照明器具専業メーカーやファブレスメーカーもLED照明事業にシフトしている。各社とも LED照明の普及拡大の波に乗り遅れないよう、商品ラインナップの拡充、用途領域や販路の開拓などに注力しており、LED照明におけるメーカー間の競争も激しさを増している。
また、省エネ法の改正により、オフィス・事業所分野においても幅広く省エネへの取り組みが進められ、ビル・建物などの維持管理を請け負うファシリティマネジメントサービス事業者やオフィス家具販売事業者、OA機器関連事業者などが、様々な省エネ関連のサービス提供を始めるとともに、オフィス・事業所への LED照明の提案をしている。特にファシリティマネジメントサービス事業者は、多くの顧客の施設管理実績を持ち、省エネソリューションサービス売上高を伸ばしているが、そのうち LED照明の売上比率がかなりの部分を占めていると考えられる。LED照明の普及率は、照明器具全体においてはまだ数%程度だが、今後の普及拡大とともに様々な動きが起こっていくと考えられる。
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コクヨグループのコクヨS&T(大阪府大阪市)は、帰宅困難者をスムーズに受け入れるための備品として、設置運搬が容易で停電時でも誘導が可能なLED付きのポールパーティション「LEDポール」を、10月1日に発売する。
近年、東京都帰宅困難者対策条例が施行されたことにより、多くの企業で帰宅困難者対策に関する関心が高まっている。新商品はこれを受けて発売するもので、災害発生時の避難所や帰宅困難者の受入施設において、避難者の誘導や通路の確保、危険箇所の表示等に効果的な商品となっている。
メーカー希望小売価格(消費税込)は1万8,900円。年間販売目標は2,700万円。
「LEDポール」の主な特長は以下の通り。頭部にはランタンの役割を果たすLED照明を採用。LED照明は単二電池2本で24時間点灯する。ポールを繋ぐロープにも反射材を使用しているため、停電時でも避難者を誘導することができる。
LED照明は、用途や設置場所に応じて使い分けできるよう点滅機能がついている。脚部も照らされる設計になっているので、停電時のポール脚部へのつまずきを防止する。
また、少ない人数でも迅速な運搬設置を行なえるよう、伸縮可能なポール部分はアルミを採用するなど軽量化を図ることで、重量を約1.1kgに抑えるとともに、脚部は、ポールを伸ばし、押し付けるだけで自動開脚する機構(特許出願中)を採用した。さらにポール部分を縮めることで、収納時は約60%のコンパクトサイズとなり、省スペースで備蓄を可能とした。
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